●人間の愚行が招いた破滅への道
このまま、人間の愚行が繰り返されれば、間違いなく、人間界は、大難は大難となって、人間社会は大惨事に巻き込まれることは疑う余地もありません。
では、こうした大惨事はどうすればよいのでしょうか。
問題は簡単です。人間が、もともと神から許された穀物菜食に改めれば、大半の問題は片付くのです。
世界の人口が約60億とすれば、この数の人々が生きていくには年間約6億トンの穀物があれば足りるのです。
現在、世界の穀物総収穫量は年間約19億トンです。13億トンも過剰に生産しています。それなのに、世界の大半は飢えに苦しみ、飢餓難民が続出するのは、一体どういうり理由からなのでしょうか?
一方で飽食を貪り、肉食主義に趨り、独り占めして、貧富の差を大きくして、その分だけ、飢餓難民にまで食糧が回らないという現実がそうさせているのです。
為政者は一口で飢餓と言い、これを天災と言います。しかし飢餓は天災ではなく、紛れもなく政治手腕の不手際が招いた人災です。
そして、金で何でもうまいものは、我田引水的で曳き寄せ、他人の米櫃(こめびつ)の中に手を突っ込むような思い上がった日本人は、もっと慎み深くなる必要があります。
こうした事を考えていくと、資本主義市場経済の自由貿易や自由競争の原理が、結果的に世の中の拮抗を失わしめ、人類を破滅に追い込んでいることが分かります。
そして食糧メジャーの画策とあわせて、もう一つの巨大システムとして機能を始めた世界の金融経済は、構造的にはデリバティブ(derivative financial instruments/債券・株式など本来の金融商品から派生した金融商品。先物取引・オプション取引・スワップ取引などがある。金融派生商品)に見るような、抜本的には機能抑制装置であるブレーキが作動する構造になっていないため、どこまでも突き進んで、天文学的な数字にまで巨大化し、人知では止められない様相を呈しています。
こうした現実が、結局天変地異までに発展します。
人類は、今、大変革を迫られています。人間だけではなく、あらゆる生きとし生けるものが、その進化過程において、大激変を迫られ、火と水の試煉を受けようとしています。人類への受難は、最終段階の峠に差し掛かっていると言えるでしょう。
●人類がこれから受ける火と水の試練
人災や天災を含めた、人類に降り掛かるこれからの試煉は、想像を絶する大激変と推測されます。
それは現代人がまだ経験した事の無い、目を背けたくなるような火と水の試煉であり、陸地の大規模な冠水や隆起、地球の地軸の移動、地軸の横転、南北の逆転、大地震、大型台風、大竜巻、大火災、地球外物質の大飛来、大稲妻、小惑星の衝突、巨大隕石の来襲などの外的要因の可能性が少なくありません。
また、地上物質界の次元が、近代では次第に低下し、人間の霊的神性や霊格も曇り、その波調は動物性食品によって著しく穢され、粗いものになってしまいました。こうした現状に陥ると、「見通し」が利かなくなります。
これを少し、社会経済の立場から挙げて見ましょう。
多くの人が、「お金が総てではない」と言いながらも、結局、お金で縛られ、借金漬けになっている現実があります。
大半の人が物財や金銭に執着し、金銭至上主義や拝金主義に趨るのも、「お金が総てではない」という言葉の裏返しです。
また世界経済も、実体経済よりは金融経済の方にウエートが掛かり過ぎ、アラビア数字だけの桁が天文学的に増え続け、膨張を続けるという、この経済にかかわる人種は、もはや次元の高い高級霊との交信が不可能になってきていることを現わします。これは人間の持つ霊的波動が低下し、波調が粗くなったからだと考えられます。
時代の移り変わりは、一つの時代が隆盛を極め、それがいずれかに片寄り過ぎた場合に起こります。
顕在界の事象現象は、平均値が崩れ、標準点が見失われ、左右の拮抗が崩れて、いずれかに極端に傾いてしまうと、そこに復元作用が発生して、元のバランスをとろうと、反作用としての復元力が働きます。この復元力が、次の時代の原動力となります。
これは経済という生き物を見ても理解することが出来ます。
一つの文明が滅ぶメカニズムは、喩えば、ある家族思いのレストラン経営者が居たとして、この経営者が自分の家族にいい活計(くらし)をさせようとして、自分の店のメニューの定価をそれぞれ10%程度上げたとします。
ここに食事に来た客は、定価が上がったとしても、料理が美味しければ通い続ける金持客と、定価が上がったので店を変えて、前の値段と同じか、それ以下の店を探す貧乏客の、概ね二種類の客に分かれます。
しかし金持と貧乏人の配分比率は、ユダヤ黄金分割率で「28対72」という法則の分割比があり、100人中、28人の金持に対し、72人という貧乏人の関係になっているので、大多数は逃げる事になります。これが「持てる者」と「持たざる者」との格差です。
こうした中、他の業種の経営者達もこれに習い、10%の値上げを試みます。値上げしても耐えられる28%の金持と、値上げに耐えられない72%の貧乏人が巷に溢れます。
そして値上げしても耐えられる金持の経営者も、やがて損金分の回収を企てて、便乗値上げの形で、10%の値上げに踏み切ります。これが連鎖反応を起こし、医者も治療費を上げ、薬剤師も薬代を上げ、弁護士も依頼料の値上げをします。そして連鎖反応は更に波及し、今度は政府までが税金の値上げ開始します。
この場合、政府が無能であればある程、税金の引き揚げ幅は大きくなり、税金を払える人、何とか払える人、払えない人の三種類に分かれます。
しかし払えなくなった人は、大半以上が72%の貧乏人であるため、政府は払える人及び何とか払える人を対象に、更に増税を試みます。累進課税がその最たるものになります。
私達は、かつての古代ローマ帝国が何故、国家破綻したか歴史から学ぶことが出来ます。この国では凄まじいインフレが襲いました。並のインフレではありません。年率100%という恐ろしいハイパーインフレです。これによって国民生活は大混乱に陥り、庶民の生活は無慙(むざん)にも破壊されました。
みなさんは日本の税率が少しずつ、巧妙に、高くなっているのをご存じでしょうか。
税率と税収の間には古代ローマ帝国以来、ある種の相関関係が存在します。
この相関関係は、例えば国家の税収を増やそうと財務省の役人が税率を引き揚げていくと、あるポイントを境に税収が減り始めるという現象を起こします。例えば税率30%であったものを40%に引き揚げた場合、これは役人の意図通り、10%の増収となり、政府は大喜びします。
ところが図に乗って60%に引き揚げると、国民生活は瀕死の状態になり、働いた収入の四割しか手許に残らないことになります。こうして生活が厳しくなると、税率が40%ならば何とか生きていけたのですが、60%では冗談じゃないとなり、収入隠しや過少申告が始まります。
国家財政が悪化すると、税金では救えない状態になりますが、政府高官にこうした金銭哲学に疎い人がいると、他の形で徴税を始めます。
やがて固定資産税も増え、社会保険料も増えます。何もかもが連鎖反応で高騰します。
こうした中、更に持てる者と持たざる者の格差は益々開いていきます。
歴史を振り返ると、偉大なる一つの文明が滅ぶ場合、持てる者と持たざる者のギャップが開き過ぎた場合に、どの文明も滅んでいます。今、アメリカもこの道を進み、それを追って日本も同じ道を進んでいます。
来るべき大激変は、金融経済を考えて見ても、人類は逃れることが出来ない縮図の中にあります。
天変地異を含めて、何らかの大激変が起こり、ある次元からある次元へと急激な移行が行われることは、明白であり、こうしたものが発生した場合、霊的に波調が低く、霊的神性が曇って見通しが利かない人は、相当な苦しみと被害を受けることになります。また、魂を曇らせて、その霊格が低く、霊的昇華に追い着けない人は、肉体的にも精神的にも滅びて、淘汰たされてしまいます。